まずは家族会議です

8/16
前へ
/223ページ
次へ
「『どうかしましたか』……って、ですから、恋仲でもない男女がそんな気安くべたべたと触り合うなんて、ふしだらです!」 「なるほど、イブキさんは古風な考えをお持ちなんですね。でも俺としては触れ合いは大切にしたいなと思いまして」 「……っ!」 やはりと言うべきか、笑顔で返されてしまった。 自分だって、撫でられることに抵抗はあれど嫌ではない。 しかしそれを伝えるのも憚れる。 と、一瞬の逡巡の間、憤慨した様子の凛が雅人に詰め寄ってきた。 「雅人っ! お前はっ!何が『命令』だよこのド変態!」 凛はサッと雅人の背後に回り込み、こめかみを左右から拳でぐりぐりと圧迫する。いわゆるウメボシ(グリグリ攻撃とも言う)。 「あがががぐおおおぉお! そういう暴力的な触れ合いはいらん! 脳内でゴリゴリ音が響いてる! いや、イブキさんとは同意の上であってだなぁ……」 「勝手言うな! ほら、ねーさんも否定してやれよ!」
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1838人が本棚に入れています
本棚に追加