まずは家族会議です

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「むぅ……」 凛は口をへの字にして腕を組む。 「雅人が三股してもいいってのかよ?」 「誰でもってわけじゃないですよ。お兄ちゃんと、陽菜たちだから、そう思うです」 「そっか……。……ねーさんは、どう思う?」 陽菜から目線を逸らすような凛の質問に、イブキはついにこの時が来たかと身構えた。 しかし、陽菜が雅人を好きな理由を聞いたからだろうか、不思議と迷いは消えていた。 (私は……) それでも、言葉が喉につっかえる。 手の汗が尋常じゃない。 舌の粘膜が渇く。 唇が震える。 そんなときだからか、雅人のお気楽な笑顔が頭に浮かんだ。 彼はいつもこんな気持ちでこの言葉を言っているんだろうか。 心を擦り減らしてまで、他人の幸せを願っているのだろうか。 だからこそ彼の存在は、こんなにも眩しくて、こんなにも自分を奮い立たせてくれるのだろう。 「……私も……御主人様のことが、好きなんだと思います」
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