【完全版】堅物メイドは隠れＭ!?

丁重におもてなしをしましょう

その後、一通り三姉妹の自己紹介を終えてからユフィの着替えのためイブキは空き部屋へと案内する。

「お久しぶりです。ユーフェミア様」

廊下を歩きながら話し始める。ユフィもやたらゴツいキャリーバックを転がしながら「ええ」と返す。

「イブキさんも変わらずのようで安心しましたの。それと今のわたくしは同じ仕事をする仲間ですから、ユフィ、で構いませんわ」

ユフィはやはりニコニコと微笑む。

陽菜に似た癒しのオーラを持っているが、陽菜の微笑みが『愛らしい』と形容させるのであればユフィのそれは『気品がある』。

「わかりました。……ユフィ。泊まる部屋はこちらです。すぐにメイド服も持って来ますね」

なんとなく、イブキはユフィに苦手意識があった。

時折、この人は果たして本気の言葉で話をしているのか、その微笑の内側が見えなくなるときがあるから。