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数分後、雅人の部屋にメイド服のユフィが姿を見せた。
「いかがでしょう雅人様? 似合っておりますか?」
金髪に映えるヘッドドレス、黒服と白いエプロン、白のニーソックスとガーターベルト。
膝上スカートを指で摘んで挨拶する姿は、まるでアニメから飛び出してきたような非の打ち所のないメイドさんだった。
「おおー! 素晴らしい! エクセレント! 完璧だよユフィ!」
「ふふ……。ありがとうございます」
雅人はサンタからのプレゼントを見つけた子供みたいな目でユフィを讃えた。当然のようにスタンディングオベーション
そんな風にキラキラした視線を送る雅人に、イブキは危機感を覚えた。
(……これは、まずいかもしれませんね)
雅人が出会い頭にプロポーズしてきたときの記憶がフラッシュバック。
しかし、焦るイブキとは反対に、落ち着いた様子のユフィは口元に指を当てて、ふんわりとした笑顔。
「雅人様の話は、かねがね伺っておりましたがどうやら本当のようですわね」
「へー。俺のことを知って下さっていたとは嬉しいですね。それで、どんな話を?」
「ええ、『西園寺雅人は使用人三人を妻に娶ろうとしている』とか。よほどメイドさんがお好きですのね」
「はい! 俺はメイドさんが大好きなのです!」
『事を荒立てず』『確実に』家出先を探すというならば、ここは絶好のポジションであった。
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