丁重におもてなしをしましょう

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これなら勝てる。 そう確信して雅人を見た瞬間、イブキの顔から余裕が消え失せた。 「美味しい!」 「あらあら、嬉しいですわ。雅人様に合わせた味付けをしたつもりですの」 「ああ、バッチリ俺好み」 イブキはぴくと頬を引き攣らせながら箸を持つ手に力が入る。 (く……そういうことですか……) イブキが作るときは八角など薬 味をふんだんに使用した本格的なもの。比較すればユフィのは『物足りない』と評されることもあるだろうが、素朴な味わいがあり庶民嗜好の雅人には合っている。 『好み』による差が出た結果だった。
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