丁重におもてなしをしましょう

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雅人は手でソファを押して勢いよく立ち上がった。 「こんな美味しいイベントを逃しては男が廃る!」 「お前はすでに脳が廃ってるから多少何かあっても変わらんわ!」 凛のキツイ一言もなんのその。 「安心しろ凛。俺の心はきちんとイブキさんと凛と陽菜ちゃんの三人一筋だ」 「日本語おかしいだろ!? どう聞いても三分割じゃねーか!」 「惜しい。三分割じゃなくて、三倍愛するんだ」 すでにユフィと雅人を止められる人間はこの空間には存在しなかった。 「さて、そうと決まれば参りましょう、雅人様」 「そうだねユフィ!」 ユフィが雅人の手を引いて、三姉妹が止める間もなく小走りに浴室へと向かっていった。 『……』 手の平を向けて二人を止めるようなポーズのまま固まった凛。 座ったまま動けなかったイブキと陽菜。 三姉妹はスタンド能力か魔法少女による時間操作の魔術でも食らったかのようにしばらく固まったままだった。
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