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そして時が動き出した凛がソファにストンと座り直し、重々しくその口を開いた。
「……どうする?」
応えるようにイブキは眼鏡のブリッジを押さえて嘆息。
「このような事態は考えてもいませんでしたね」
『もし、自分達以外に雅人に好意的な女の子が現れた場合、雅人はどんなスタンスをとるか』
『そのとき、雅人と女の子に対して自分達はどうするか』
「……どっちかっていうと、あたし達が目をつぶっていたって感じだよな」
「う……そうとも言えますね。まあ、御主人様も、ユフィに好意的ながらもプロポーズなど直接的な言葉で口説くことはしていないだけまだいいでしょう」
むしろ雅人がユフィに「好きだ」「結婚して下さい」と言ったが最後。
『言ったことに責任を持つ』が信条の雅人は本当にその意志を貫きかねない。
「でも、『三人一筋』とは言ってたよな……」
凛の言葉に、三人の頬がほんのり朱に染まる。
「はぁ……。どうして私はこんな面倒な人を好きになったのでしょう」
イブキが苦虫を噛み潰したような顔をすると、凛もつられて苦笑した。
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