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――――――
「ふふっ……雅人様の背中、大きいですね」
白いタイル、白い湯気、白い泡。
雅人はメイド服を着たまま(ソックスは脱いで裸足になっている。)のユフィに背中をナイロンタオルで洗ってもらっていた。
丁寧な手つきで背中を洗われて、くすぐったいようなむずかゆいような感覚。
「気持ちいいですか?」
「ああ……気持ちいいよ」
長い金髪がフワフワとなびいて時折雅人の肩に触れる。
甘い体臭が鼻粘膜を刺激し、浴室という環境下でもあるため雅人の体温は上昇の一途を辿る。
「雅人様、このようなことをしていてはあの三人に怒られるのではありませんか?」
「まあ、そうかもしれないけど、ユフィがせっかく提案してくれたんだから、無下に断ることなんてできないよ」
「まあ、優しいのですね」
ユフィは唇を動かして大人びた笑顔。その甘い声は雅人の心にじんわりと響く。
「雅人様は三人と出会っていきなりプロポーズをしたと伺いましたが、わたくしには言って下さらないのですね?」
「俺はもう決めてるんだ。イブキさんと凛と陽菜ちゃんだけを好きでいるって」
きっぱり言い切る雅人にも、ユフィは動じない。
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