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凛に殴られ、バランスを崩す雅人。
それに伴い、凛の反対側に立つイブキが足を一歩外に出すと、泡を踏み付けて足を滑らせる。
「あっ……」
「イブキさん! 危ない!」
風呂場という不安定極まりない場所で支えようとしたためイブキを受け止めきれず、その下へ入り込りこむ形となり、
「ぁがっ!?」
後頭部を強かに打ち付けた。
「お兄ちゃん!?」
「雅人様!?」
皆の声がやたらくぐもって聞こえ、だんだん意識が遠退き――
「起きろ!」
「熱っつぃ!?」
意識を無理矢理引き戻された。
目を開けると、風呂桶を逆さまに持つ凛。
「タオル一丁で気絶されても困るからな」
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