丁重におもてなしをしましょう

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陽菜が狼に狙われた野ウサギのように後ずさった瞬間、タイルの水溜まりに足を取られ、 「きゃうっ!?」 見事に尻餅をついた。 「陽菜ちゃん! 大……丈…………夫?」 雅人は視界に入ったモノに思わず目を奪われて言葉が途切れる。 そう、雅人の方を向いて尻餅をついた姿勢ということは、雅人の網膜にはスカートの奥の普段見えざる部分が写る。 脚の間のぷっくりした膨らみ。 その丸みを包む白とピンクの縞模様の布。 そして布の皺には床の水がジワッと浸透し染みが広がる。 「っきゃああああああっ!」 陽菜が悲鳴とともに猛烈な勢いでスカートを押さえる。ちょっと涙目になっているのがまたそそるわけで―――― 「死ねこのロリコン!」 「御主人様、少し頭冷やしましょうね?」 「熱ぅっ!? 冷たっ!?」 陽菜のスカートの中の桃源郷を念入りに鑑賞する暇もなく、凛の熱湯とイブキの冷水を交互に食らった。 「お返しだうりゃあっ! ブラ透けろ!」 「甘い!」 「ひぁっ!? 凛さんが避けるから髪が濡れてしまったではありませんか! ならばわたくしも参戦致します!」 大騒ぎした挙げ句、5人でお湯を掛けたり、とばっちりで水を浴びせ掛けられたり報復したりと、全員ずぶ濡れの結果となった。
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