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凛、イブキ、陽菜の順に入室し、雅人の顔が金髪のカーテンに覆われているのを見て硬直。
「え、ええええええ!?」
「お兄ちゃん……」
素っ頓狂な声を上げる凛と、絶句する陽菜。
「ちょ、ちょっと待って! これは違うんだ!」
雅人がフォローしようとユフィを押し退けて立ち上がると、イブキはゆっくりと頷いた。
「わかっておりますよ。御主人様は案外ヘタレですからまだ未遂であることを」
「俺信頼感低っ!?」
雅人がショックを受けていると、ユフィが髪を整えてから雅人に腕を絡めてきた。
「ほらほら雅人様、御三方のように素直じゃない子達から、わたくしにくら替えしてもよろしいのですよ?」
上目遣いで三姉妹を眺めるユフィに対し、刃物のような視線を雅人に向ける三姉妹に、雅人は春風が吹きそうなくらい爽やかな笑顔で返す。
「大丈夫。俺は三人一筋だよ」
「なぜそこまでこだわるんですの?」
ユフィの質問に、雅人は迷いなく言い切る。
「好きだから。三人のことが、みんな大切だから」
『……!』
ユフィは目をぱちぱちさせ、三姉妹は赤面する。
「……あれ?俺、なんか変なこと言った?」
一瞬の間があってから、イブキがわざとらしく咳をした。
「コホン……朝食の準備が出来ております。ユフィ、御主人様をお連れして下さい」
「あ、はい。わかりましたわ」
ユフィも我に返ったようにいつものニコニコスマイルに戻り、今日も一日が始まる。
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