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「ハッ! バカじゃねぇの? ただのセクハラじゃねえか。嬉しくなんて……」
ふと、顔を上げると、視線の先に鏡が見えた。
そこに写るのは、顔を真っ赤にして怒りながら笑うという器用な表情をした自分。
(ほあああぁ!? なにこの顔!?)
鏡から逃げるようにベッドにダイブ。
「は、恥ずかしい……」
「ぁぁぁぁ……」と小さく呻き声を上げているとノックの音がしたので立ち上がり、さも片付けの途中といった体で返事をする。
「どーぞ」
扉の向こうには、いつもの気の抜けた笑顔の雅人。
凛は自分がさっき鏡で見たような変な顔になっていないか気にしつつも片付けを手伝ってもらうことにした。
「じゃあ、そこの本を棚にしまって」
「ういー。って、これ全巻は容量オーバーだろ。」
「あー、いいよ上に積んどいて」
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