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「リンリン、恋人未満の状態ならツンデレも武器だけど、付き合い始めたらめんどくさいだけだからね」
「あたしはツンデレじゃない!」
ぎゃんぎゃんと噛み付く凛に、イブキと陽菜が口を挟む。
「いえ、凛はツンデレと思われます」
「凛お姉ちゃんはツンデレですよね」
「ほーら、家族公認。しかもマー君と恋人未満云々は否定しないんだ」
「う、うるさぁぁぁぁい! お前らこそめんどくせぇぇぇ!」
驚愕の事実にショックをあらわにする凛。優芽はイジるのに満足したのか、次とばかりに陽菜の方を向く。
「じゃあ、ハルにゃんはどうなの?」
陽菜は「ふぇ?」と可愛い声を出した後、手指同士を絡ませて、ぽつりぽつりと話す。
「えと、やっぱり、お兄ちゃんが他の女の子とべたべたしてると、陽菜もムネがチクチクしちゃいます。……うぅ、陽菜はワガママなコなのです……」
「ハルにゃん、恋はエゴの押し付け合いでいいんよ。そう、酸いも甘いも、綺麗事も醜悪も、清濁合わせて飲み込んでこそ恋愛」
「……陽菜は、こんな欲張りでいいのですか?」
雨の日に段ボールの中で震える子犬みたいな目をする陽菜に、優芽はポンと肩に手を置いて八重歯を見せる。
「もちろん。あーしはそんなハルにゃんを応援するっさ」
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