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『一歩踏み出す勇気』というフレーズに何か感じるものがあったのか、イブキと凛は口をつぐむ。
その間に、陽菜はすでにあった烏龍茶と一緒に薬を飲んでしまった。
「あのさ、昨日から思ったけど、陽菜って案外行動力あるのな」
凛が呟くと、陽菜は恥ずかしそうに、
「やっぱり、考えてるだけじゃ、何も起きないですから。えへへ……。お兄ちゃんの影響かもですね」
すると優芽が面白そうに、ひょっこっと横から首を突っ込む。
「それに、末っ子の方が長男長女より社交性に優れるってのはよく言われてるよ。姉は未開の地を歩かされるようなものだけど、妹は姉を通して未来をシュミレートできるから世渡り上手なんだよね。ハルにゃんの場合はイッチャンの難解な性格をよく見てるんじゃないかな？」
優芽の言い分に、イブキはこくこくと頷く。
「なるほど。理に適っています」
「え、ねーさんツッコまないの!? 結構酷いこと言われてない!?」
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