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「そうそう、一番最初に薬を飲んだハルにゃんにはご褒美、はい、これ。マー君の部屋にあったやつだから、付けてあげれば多分マー君泣いて喜ぶよ」
「これって、えええ!? これ、付けるんですか!?」
『それ』は優芽が凛の部屋に来るまえに雅人の部屋から持ってきたものであるが、陽菜は照れと戸惑いを隠しきれない。イブキと凛も難しそうな顔をしていた。
「さて、薬の効果が出るまでちょっと時間かかると思うよ。あーしはマー君を足止めして来ようかね」
「え、あ、はい。いってらっしゃい。…………」
急に席を立った優芽に手を振るイブキは、胸に妙な疼きを覚えた。
(あ……れ……?)
胸元を押さえるイブキを背に、優芽はドアノブに手をかけて戸を開ける。
「あと、他の作用について聞かれなかったから言ってなかったけど――」
いつものように八重歯を見せて廊下に出て、
「――それ、ついでに媚薬効果もあるから」
そっと戸を閉めた。
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