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―――――― 「なんか廊下で優芽さんに『ゆっくりしてってね』って言われたんだけど、なんのこっちゃ」 部屋に戻った雅人はベッドに腰掛けるが、不自然な空気に気づく。 ゲームを開始しているわけでもないのに、三姉妹は無言で視線はやや下を向いている。 「……みんなどうした?」 イブキがゆらりと立ち上がり、雅人の右隣に座った。 「!? イブキさん、顔真っ赤ですよ! また風邪ですか!?」 以前のように額に手を当てる。しかし今回は、イブキに手を握られてしまった。 「御主人様ぁ……」 「え!? え!? イブキさん!?」 普段のイブキからは考えられない蕩けきった声と、指を絡めて恋人つなぎをされてしまっていることに顔が熱くなる。 「御主人様、こういうのはお嫌いですか?」 嬉しいことこの上ないが、あまりに唐突過ぎて事態に頭が追いつかない。 雅人は焦りを見せないようにしつつ。 「そんなことありませんよ。イブキさん」 「ふふ、それでは……」
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