1838人が本棚に入れています
本棚に追加
「もっと、近くに……」
イブキは荒い息遣いで半開きの口を手に近づけて――
「あむっ」
人差し指を、そのぷっくりとした唇で挟み込んだ。
「んにゃああああああ!? イブキさん何してるんすかぁぁぁ!?」
イブキは両手で雅人の手をそっと包み、人差し指を第二関節まで口にくわえて懸命に吸う。
「う、わ……イブキさんの口の中、あったかい……」
指先は感覚神経の中でも顔面に並んで敏感な部位であり、そこから本能に訴える快感で脳がグチュグチュになる。
「御主人様ぁ……ちゅぱっ……くちゅ……」
指の腹が舌の上で圧迫され、舌のザラザラ感、唾液のぬめり、生暖かさが肌にダイレクトに伝わってきた。
「ん……ふぅ……ちゅぷ、ちゅぷ……」
「ちょ、待って……それ以上は!」
温かい鼻息が時折手の甲の毛を撫でてくすぐったい。思わず足指にぐっと力が入る。
「んちゅ……ちゅるるる……ぷはぁっ……」
淫靡な水音とともに。イブキは雅人の指からゆっくりと口を離す。
指と唇の間には透明な唾液の橋がかかって一瞬光を反射してから、つぅ、と途切れた。
最初のコメントを投稿しよう!