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「本当!? 嬉しいですっ!」
「おわっ!?」
陽菜が飛び込むように胴体に抱き着いてきた。
両手をイブキと凛に塞がれているためなすすべもなく、陽菜は猫のように雅人の胸にほお擦りする。
「あは……お兄ちゃん、あったかくていい匂いですぅ……すりすりぃー」
女の子の体の柔らかさ。
髪やネコミミが時折雅人の顎をくすぐり、その度に甘いシャンプーの香が鼻の粘膜を刺激する。
(無理……! これ、無理……!)
「ねぇねぇ、お兄ちゃんお兄ちゃん」
「……なに? 陽菜ちゃん」
この先を聞いちゃいけない気がした。
それでも陽菜の瞳の魅力に吸い込まれ、唇が勝手に動いていた。
陽菜は、抱き着きを解除して、濡れた瞳で上目遣いで見つめる。
「あのね、陽菜を……」
そして雅人のシャツをぎゅっと握って、腰をくねくねさせながら。
「……お兄ちゃんの、ペットにしてほしいな……」
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