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見事なアッパーカットが決まり、雅人が後ろによろめく。
「凛、お前瞳孔開きすぎて怖ぇ! すまなかった!ごめん!」
「言い訳は聞かん」
凛の背後にどす黒いオーラが立ち込めたとき、部屋のドアが空いて第三者が止めに入った。
「凛さん、お待ちくださいませ」
「ユフィ……」
ユフィは少し頬を赤らめてはいたが、落ち着いた態度で語りかけるように話す。
「少し前から、部屋の様子を見ておりましたの……三人が、雅人様を誘惑するところを」
「誘惑……?」
イブキは意識が朦朧とする直前の、『媚薬効果もあるから』という優芽の言葉を思い出した。
(優芽……なんてものを飲ませるんですか……)
「誘惑をしておいて、雅人様がその気になった途端、手の平を返すように突っぱねるなんて雅人様が可哀相です」
ユフィの言葉に、三姉妹は何も返せない。媚薬を飲んだのは自分達であるし、見てたなら止めろとも言えない。
「雅人様、さぞかしご傷心でしょう。わたくしでしたら、雅人様のご命令であれば、何でも従いますわ」
小悪魔的な笑みを浮かべるユフィは、また雅人に腕を絡ませる。
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