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あっさりとユフィと別れの挨拶を済ませた後、雅人は背後から手をぷらぷらさせた優芽に声をかけられた。
「や、マー君」
「おっと、優芽さん。今までどこにいたんですか?」
「それより大変だったみたいだねぇ」
「てか、三人が変だったのは、優芽さんが何かしましたね?」
「さあ、どうだかね」
思わせぶりな優芽に、雅人は眉をひそめる。
「ひょっとして……ユフィも優芽さんが裏で糸を引いてたりします?」
「にししっ。もしそうだとして、マー君のイッチャンとリンリンとハルにゃんに対する気持ちは、変わる?」
「いいえ」
視線を外さない雅人に、優芽は腕を組んで頷く。
「おっけー。じゃ、あーしも帰るよ。マー君、三人のことを思うなら、これからは悪い女にダマされないようにね。メッ! ばいばいきーん」
「はい、さよならー」
優芽がスキップしながら敷地を出て、門がきぃと金属音をたてて閉じる。
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