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西園寺家近くの大通り。
家から迎えが来るまでの待ち時間、ユフィは後ろから追いついた優芽と話しをして時間を潰すことにした。
「わたくしの勝ちですわ。阿佐ヶ谷優芽様。これで我が社と契約をして下さいますわね?」
気品ある笑みのユフィと、ニヤニヤ笑いの優芽。
「モッチロンだよ」
「それにしても、本当にこれでよかったのですか? 道楽のためにご友人の恋愛事情に足を突っ込むなんて」
ユフィはこれまで何度も優芽に技術開発協力を依頼していた。
そして今回、優芽がユフィに契約条件として提案したのが、
『雅人のもとにメイドとして滞在し、24時間以内に三姉妹の誰かに告白をさせること』
「うにゅー、道楽だなんて人聞きの悪い。だって、『きっかけが欲しい』って言ってたのはイッチャン自身だよ? あーしはその通り手伝ってあげただけさぁ。それよりふぃっちーこそ、この提案に乗るとは思わなかったよ」
「ええ、あまりに急な話でしたので、悩みましたわ」
「そう、それねー。イッチャンは悩み出すとひたすら悩んで勝手に諦めちゃうタイプの子だから、マー君のことを好きだと自覚した今こそがチャンスだと思ったんだ」
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