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雅人が屋敷に戻ると、いつも食事の団欒に使っているソファに三姉妹は座っていた。
三人のどこか落ち着かない目を見て、雅人は一呼吸置いてから、
「昨日今日で、俺はみんなを不安にさせたと思う。……ごめん。これからは、三人だけを見るから」
雅人が深く頭を下げると、イブキがすっと立ち上がった。
「頭を上げてください。今、三人で話し合った結果、私達は概ね御主人様と同意見です」
雅人は驚いたように目を開く。
「ってことは……?」
「はい。私達三人で、御主人様と付き合うことにしました」
眼鏡ごしの真っすぐな瞳。
そしてイブキは確認をするように凛と陽菜に目配せすると、二人も深く頷いた。
「私達は、御主人様に好きと言ってもらうことばかりで、それが当たり前のようになっておりました。ですから、これからは私達も御主人様を見習います。そのため、御主人様が他の女性になびかないように三人で協力することにしました」
凛と陽菜も立ち上がり、雅人に近づく。
「いいか? あたしらも散々悩んで、最大公約数的なこと考えたらこれがベストなんだよ」
「だからお兄ちゃん、陽菜も、頑張るです!」
イブキは妹達を見て柔らかな笑みを浮かべ、改めて雅人を見つめた。
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