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心臓が張り裂けそうになる。イブキにとっては、そのドキドキすら、愛おしい。
『膝が震える』なんて慣用句だけだと思っていたが、まさか自分の身に起こるとは。
ロングスカートで膝が見られないのが救いのような気がするが、別に見られても構わないような気もした。
素直な自分を、見て欲しかった。
「私は……御主人様のことが好きです。メイドとして、イブキとして、これからも貴方の傍に居させてください」
雅人も、視線を返してくれる。
優しくて気のおけない、呑気な笑顔。
「俺も、イブキさんのことが好きです。これからもずっと一緒にいてください」
そしてアイコンタクトを交わし、以心伝心のように、同時に笑った。
「ははっ」
「ふふっ」
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