1838人が本棚に入れています
本棚に追加
ガッ、と凛は両手で雅人の頭をしっかり押さえて、そのきつい吊り目で相手を射抜く。
そして、いつか自分が雅人にされたように、凛は思い切り息を吸い込んで腹の底から叫んだ。
「だったら! バカはバカなりに! あたしのこと惚れさせたんだから責任取れ! このバカ!」
雅人は目を剥いて驚愕の表情。そして次第に瞳を輝かせる。
「凛……。凛……!」
「だから! 一万歩譲ってあたしとねーさんと陽菜と付き合うのは許すけど、今後他の女にデレデレしたらブッ飛ばす!」
「ああ、しない。約束する。俺は三人一筋を貫くよ」
「ん。まぁ……わかってんなら、いいけどさ」
一拍置いて、これから自分が言おうとする言葉をリハーサルして首まで真っ赤になった。
「あたしもやっぱり、その、す、好きなヤツが浮気するなんて、許さないからな!」
「……!!!!」
あの凛からの『好き』という告白が衝撃的すぎて、雅人は『ツンデレ萌え!』と叫ぶことすらままならなかった。
最初のコメントを投稿しよう!