友達は大切にしましょう

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優芽は顎に手をあてて、さもありなんとばかりに頷く。 「ふーん。言ってくれれば惚れ薬・媚薬・避妊薬なんでもオーダーメードで副作用のないやつを作っちゃるのに」 「それは卑怯だと思います」 イブキは眼鏡の弦に触れながら、鋭い眼光でピシャリと告げる。しかし、それを意に介さず優芽は飄々とした態度で答える。 「そうかにゃあ? 恋愛に有利な要素って色々あるじゃん? 見た目とかコミュニケーション能力とかお金とか。それと同じで『惚れ薬を使う』は相手を魅了する手段としていいんじゃないかなぁ。例えば高い宝石を身につけて、自分の価値を上げようとするのとなんら変わらないと思うよん」 「じゃあ、もし心から好きと思える人と出会えたら、優芽は躊躇なく惚れ薬を使いますか?」 イブキの質問に対し、同性でもうっかりすると惚れてしまいそうな笑顔で、優芽は八重歯を見せながら返す。 「もちろん使うね。だってそれが、あーしの魅力のひとつだと思うから。女が手作りの肉じゃがで男心を掴むように、あーしは手作りの惚れ薬で男心を掴むのさっ」 こういう、優芽のちょっと変わった考えを持っていて、それでいて裏表のないところがイブキは好きだった。 「優芽は、惚れ薬を使いたくなる人と出会えましたか?」 「ううん。全然。浮いた話自体が去年のあれっきり」 「ああ、告白されたんでしたっけ」
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