友達は大切にしましょう

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優芽は去年、大手金融業の息子で、クラスでもリーダーをやっているような男子から告白された。 そのときに優芽は目をキラキラさせて、 「君はあーしのこと好きなんだよね? じゃあさじゃあさ、改造でキカイダーにされるのと、仮面ライダーにされるのと、どっちがいい?」 と本気で答えてドン引きさせたツワモノである。 「そんなこともあったねぇ。ま、あーしのタイプじゃなかったし。結局、三日で別れを切りだされたけどねん」 「そうでしたね」 「ところで、そろそろ時間は大丈夫ですか?」 言うが早いか、壁掛け時計の針が八時半を指し、ホームルーム開始の鐘がなる。 「わわっ! 先生も来ちゃった! イッチャン、このまま借りるねっ」 「早くしないと、一時間目が始まってしまいますよ」 「ふぇええぇ~ん! イッチャンがドSだよぅ!」 イブキは友人の泣き言をスルーして、担任の面白くもない連絡事項に耳を傾けることにした。
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