抱え込まず相談しましょう

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一時間目が終わってイブキと優芽は理科室への移動中、ちょうど体育が終わったのか体操服の雅人と凛に遭遇した。 というより、優芽が凛に背後から襲いかかった。 「リ~ンリンッ!」 「おわっ!?」 優芽は凛の腋の下から手を回し、体操服を突き上げる双房をわしづかみにした。 体操服という薄い布地ごしに揉んだは凛のそれは、優芽の手には収まりきらず、ムニュリと形を変えて指の間からはみ出る。 「せ、先輩!? 何してんの!? 離せ!」 「お嬢ちゃん、相変わらずいい体してるねぇ~。それに、ん~、この汗の刺激的な匂いがたまんないっ」 オッサンみたいなことを言いながら、優芽はさらに下から上へと、寄せて上げるように揉む。 優芽の細い指が柔肌に沈みこみ、そのたわわに実った果実の柔らかさと程よい弾力を証明。 「あ、ちょ、くすぐったい……ゃはっ、やめ……ぁっ」 「ほらほら、口では反抗しながらも、体はしょうじ――――」 「優芽、そろそろやめましょうね?」 見かねたイブキが、呆れ顔で優芽のピンク色のポニーテールを掴んで引き離す。優芽が変な呻き声を上げたが無視。 続けて、その様子をまじまじと見ていた雅人に冷たい視線を飛ばす。 「御主人様も、見とれていないで止めて下さい」 「はっ……! いやぁ、ごちそうさまでした。眼福眼福」 「抉りますよ?」 「何を!? 眼か!?」 イブキが場を制圧すると、凛が顔を真っ赤にして優芽に抗議する。若干涙目。 「いきなり何するんスか先輩……!」 「ゴメンゴメン。まぁ、二人を見かけたから、挨拶。そんだけ騒げれば元気そうだね。マー君も」 「ただの挨拶でいちいちこんなことされてたまるか!」 「ええ、俺は一年366日元気ですよ。優芽さんには、いつもウチの妻がお世話になっております」 「誰が妻ですか」 イブキが表情を変えずにツッコむ。凛が「あたしのことはもうスルーかよ!?」とか、まだギャーギャーいってるが放置。 「ああ、『自慢の妻』の間違いでしたね」 「……もういいです」 上手い切り返しが思いつかなかったイブキは、早々にツッコミを放棄した。
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