妹系な陽菜と、ツンデレな凛と、堅物なイブキ。

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そして、凛に殴られてなお余裕を見せるのは、この屋敷の当主、西園寺雅人(サイオンジ マサト)。 「ほほう。では凛よ、『他の意味』を言ってもらおうか」 中背中肉で、それなりに整った『憎めない』といった顔立ちの少年で、ロングのウィッグをつけてナチュラルメイクを施せば女装が似合いそうな中性的な容姿をしている。 「ぐ……と、とにかく! 陽菜、飲むの止め!」 「あ……うん。お姉ちゃんも飲む?」 「いや、いい……はあ、まったく……」 事態を理解していない妹に、凛はがっくりと肩を落とす。 そんな凛を尻目に、雅人は陽菜の頭に手を伸ばした。 「ホント、陽菜ちゃんはずっと無垢なままでいてくれよ。ナデナデ」 「え!? あ、ありがとうございます……」 雅人に頭を撫でられて頬を染めるのは、都城家三女の陽菜。小さいながらもふっくらとした唇をモゴモゴと動かしている。
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