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イブキが渋っていると、雅人がいつもの、人に警戒心を持たせないゆるい雰囲気で近づいてきた。
「イブキさん、優芽さん、お待たせしました」
「あ……お疲れ様です、御主人様。お待ちしておりました」
少し声が小さくなってしまった。
いつも通りに返事をしたつもりでいたが、雅人の笑顔を見た瞬間、心臓の鼓動が速くなり、顔が熱くなるのがはっきりとわかった。
(あ、あれ……? ど、動揺しすぎ!)
言葉というのは本当に恐ろしい。
昼に優芽に本音を言ったから、余計に意識してしまう。
じわっと手に汗がにじむ。
どう、しよう。
もう、顔も、まともに見れない。
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