相手の目を見て話しましょう

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その所業に対して、 「……」 イブキは桜色の唇を真一文字に結び、切れ長の目をさらに細めて猛禽類的な鋭い視線を向ける。 「イッチャン、顔恐いよ」 「ぅえ゛!?」 隣に立っていた優芽はニタニタと笑ってから、イブキを横目に陽菜に接近して右側からハグをかまし、わしわしと赤茶のくせっ毛をなでまわす。 「ハルにゃ〓ん! 会いたかったよっ!」 「わ! ゆ、優芽さん!?」 陽菜は目を泳がせながら、か細い腕をバタバタと振る。しかし、その怯えるような仕草が余計に優芽の野性本能的なものを刺激した。 「あーもーキザカワユス! ハルにゃんぺろぺろしたい! ハルにゃんはあーしの妹!」 「ちょ、だめですよ! 陽菜ちゃんは渡しません!」 突然の闖入者に対抗するように、雅人が陽菜を左側から頭ごと引き寄せる。 「お、お兄ちゃんまで……顔が、ち、近いですぅ……! ぁあぅあぅあぅ……はわわわ……」 ハイテンションな二人に挟まれて、陽菜、パニック。 病的に白い肌を耳まで真っ赤に染めて、瞳は若干潤んでいる。 こうなるともうどうしていいかわからず、内股で足をもじもじさせるしかない。 「か・わ・い・いーっ!」 そのいじらしく恥じらう姿を見て、雅人と優芽がさらに魅了されるというエンドレススパイラルに陥ったところで、イブキは冷静さを取り戻した。
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