体調管理はしっかりしましょう

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―――――― (朝食と、お弁当は……出来ました……。御主人様を起こしたら、登校まで少し休みましょう) ぼんやりした頭では食事の準備も上手いように進まず、時間が押してしまったため陽菜、凛の部屋へ簡単に声をかけてから雅人の部屋へ向かう。 ケータイを見ると現在7時3分。3分遅刻。 フン、と不機嫌そうに鼻息ひとつ。 いつものようにノックしてから部屋に入り、雨戸を開けてから挨拶。 「お早う御座います……。御主人様」 ただでさえ低い声が、喉が炎症を起こしてしゃがれ声になってしまった。 「おはよう……って、イブキさん? 顔色悪いですよ?」 「いえ、大丈夫です」 「そう言われても、顔赤いし、声変だし、目見ればわかりますって!」 「問題ありません」 「いや、だから……ほら、おでこ貸して」 「だ、駄目です! 御主人様の手に汗が付いてしまいます!」 「い・い・か・ら!」 雅人はイブキの力ない手を払いのけ、前髪を上げて汗の浮かぶ額に手をあてる。 (うわわわ……私、触られてる……) その手はイブキが思っていたより大きくて、掌の皮膚も固くて、相手が男であることを意識せざるを得なくなる。 (うぅ……おでこ、熱くなって……!) 「ほら! イブキさんすごい熱!」 多分風邪以外の理由も含む。
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