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「イブキさん、体調はどうですか? あ、体起こさなくても、寝たままでいいですよ」
部屋に入った雅人は、椅子を移動させてベッド左側に腰かける。
「はい。お蔭様で、だいぶ良くなりました。……御主人様お一人ですか?」
「そ。みんな授業とか委員会とかで、俺だけ先に帰ってきました。少しでも早くイブキさんに会いたくて」
そういって、いつものようにニカッと人懐っこく笑う。
イブキは二人っきりということを、あえて意識しないようにした。
「そうですか。それは御迷惑おかけして、申し訳ございません」
「大丈夫大丈夫。全然、迷惑じゃありません。ですから、そんな落ち込まないで下さい。せっかくの綺麗な顔がもったいないですよ?」
「またそういうことを……」
「本当だから言ってるんですよ。……うん、眼鏡外したイブキさんも、新鮮でいいですね」
「そう、ですか」
「ええ。前にイメチェンがどうこうって話しましたけど、イブキさん本人としてはどうなんですか?」
「はい、やはり眼鏡がないと落ち着きませんし、それに……」
「それに?」
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