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そう言って雅人を仰ぎ見る。
多分、今の発言は了解の意だろうと認知して、イブキを見た瞬間、雅人は思わず生唾を呑み込んだ。
イブキの本来透き通るように白い肌は桃色に染め上がり、上目遣いの瞳は熱にうかされてトロンとしていて、これからされるであろう行為への不安が隠し切れていない。
ただでさえ掛け値なしの美少女。
しかもいつも澄まし顔の美少女が、今はどこか弱々しくて艶っぽい表情をしている。
彼女いない歴=歳の数な雅人にとっては、その魅力は強烈すぎて、脳天を拳銃で撃ち抜かれたような錯覚に陥った。
(ぐお……!? これは思ってたより刺激が強すぎる! しっかりしろよ俺……っ!)
自分から言い出したはいいが、当然緊張はする。
さっきはノリで頬を引っ張ってしまったが、一度意識してしまうと、緊張の度合いが全然違う。
日頃からエロエロなことは考えているというのに、現実はエロゲや妄想とは天と地ほどの差があった。
しかし、雅人はわかっている。
イブキが『遠慮されたくない』と思っていることを。
ならば、ここで自分が萎縮しては、イブキが傷つくだけ。
(男に二言はなし! 自分の発言に責任を持て!)
イブキを不安にさせないためにせめて堂々としていようと、自らを鼓舞した。
「わかりました。……それじゃ、触りますね」
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