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握っていた手を解き、手の平全体で頬に触れる。
慎重に肌を撫でて、染み一つない肌の感触を確かめる。その滑らかさは、まるで同じ人間の肌とは思えない。かといって、人工的には到底造りだせないと確信できる、生きた肌の心地好さがあった。
「すごい……すべすべで、ずっと触っていたくなりますよ」
「いやらしいです。目つきも手つきも実にいやらしいです。まさしく御主人様の心の内が表れておりますね」
「それはしょうがないです。触ってると、つい、にやけちゃいますよ。イブキさんの肌」
口調は強がってるけど、イブキがされるがままになっていることに、雅人は思わずにやけてしまう。
ゆっくりと肌の上を滑らせ、手の平の接触面積を徐々に少なくしてから、指の腹で柔肌をぷにぷにと摘む。
「ほんと、柔らかいですね。モチみたいです」
「うう―……」
イブキも緊張が解けてきたが、今や、耳まで真っ赤になって羞恥に呻き、長い睫毛が震えている。
頭がもぞもぞ動くたび、髪からシャンプーの香りが漂って雅人の鼻粘膜を刺激した。どうして女の子の匂いはこんな甘いんだろう。
「とっても、いい匂いしますよ、イブキさん」
「御主人様……これ、本当に恥ずかしいんですよ? 手短にうにゅ」
「ぶっ!?」
しゃべってる途中でイブキの頬を吊り上げるように引っ張ったから、言葉尻が変になった。
普段とのギャップが大きすぎて、雅人は思わず吹き出す。
「あっはははははっ!『うにゅ』って!『うにゅ』って―っ!」
緊張と興奮が合わさって、テンションが変になった雅人は、多少乱暴ぎむに、こねこねむにむにふにふにと縦横に伸ばしたり押し潰したりし始めた。
「ちょ、ごしゅじんしゃまにょせいでしゅ!」
「ぶはぁっ!? 可愛すぎるぞこんちくしょーっ! はははははははっ!」
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