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（ああもう……もやもやします……）
明かりを消す前に用意しておいたネコの抱きまくらに手足を絡めるも、落ち着かず寝返りを繰り返す。
ネコのコットンの前足をふにふにするも、何か物足りない。
右に寝返り、右手をベッドの外に投げ出してグーパーすると、雅人に手を握られたことを思いだす。
優しく包み込んでくれた、両手と言葉の温かさ。
完璧でなくてもいいと、今の自分を受け入れてくれた。
飾らない自分を、可愛いといってくれた。
全部引っくるめて好きだと言ってくれた。
その声を、温もりを思いだす。
雅人のいつもの人の良さそうな顔と、今日のいつもと違った真剣な顔を思いだす。
思い出して、体の芯が一瞬で熱くなった。
やり場のない衝動をぬいぐるみを抱きしめることでぶつけるも、手を握り返してはくれないし、温かみも与えてはくれない。
（く……とっておきの癒しアイテムでも落ち着かなくなるなんて、も、もう、御主人様のせいですからねっ！）
心の中で弾け回る感情を抑圧したまま、ぬいぐるみごと丸まって無理矢理眠りについた。
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