食事はみんなでとりましょう

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「どうしてメイドさんはこんなに魅力的なんだろう」 夕食時、雅人が出し抜けにそんなことを言いだした。 ちなみに食事は、家にいる限り一緒のテーブルでするように雅人が決めている。 そのため広いダイニングに、正方形の4人掛けテーブルがこじんまりと置いてあるというちょっとシュールな光景となっている。 雅人の質問に対し、そんなの決まってる、と向かいの席の凛が箸でハンバーグにがっつきながら言った。 「男が支配欲を満たせるからだろ。どっかの変態みたいに」 「支配とは人聞きの悪い。俺は同意の上で調教プレイをしてみたいだけだ」 「そんなカミングアウトはいらん!」 「この西園寺雅人、自分に正直なことに関しては自信があります!」 「お前のその性格、ある意味うらやましいよ」 「いや~褒めたところで、出るものしか出ないよ? どうだ、凛。このあと寝室で生命の神秘が出るとこを――――――」 「ていっ」 メキッ。 テーブルの下で、凛の爪先が雅人の脛に突き刺さる。 「ったぁああああああ!? い、今なんか骨が嫌な音したぞ!?」 「御主人様、食事中は騒がないようにお願い申し上げます」 右斜め前の席に背筋を伸ばして座るイブキが、ハンバーグをナイフとフォークで切りながら淡々と告げる。
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