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一呼吸置いて、「習い事といえば」と雅人は凛の方に向き直る。
「凛は何かしてたのか?」
「あたしは前に新体操やってたぜ。フープもリボンもスティックも大体一通りはこなしたかな」
ちなみに先日の華麗なハイキックはその副産物だったりする。
「新体操……! つまりレオタード! ……ごくり……」
「お前は本当にブレないな」
「なぁなぁ凛、また着てくれないか?」
「やだね。…………もう着れるかよ、あんなもん……」
腕を組んでの拒否は、尻窄みだった。
「ははぁ、胸か」
「てめぇにはデリカシーってもんがねぇのか!」
図星だったらしい。
凛は顔を一瞬で紅潮させ、自分の肩をいだくと、腕の中で重力に逆らうようにハリのある双房がむにゅりと形を変えた。
「凛は自分の体が嫌いなのか? 俺は好きだよ? もちろん中身も好きだし」
そう言って雅人はいつもの人懐っこい笑顔を向ける。
「てめぇそろそろ訴えるぞ!?」
凛は、照れてはいるが複雑な表情をした。
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