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「どーしてそんな軽々しく言えんだよ!」
「もちろん重々しくも言えるぞ」
急にトーンを変えて、手を取って熱のこもった眼差しで凛と目を合わせた。
「……凛、俺は一生凛を愛することを誓う」
「……ッ! ……う……あ……」
凛は勢いをなくし、耳まで顔を赤くした。
いつもなら悪態をつくはずの口をパクパクさせて、次の言葉がなかなかでてこない。
「ううううるせえバカ黙れ! 勝手に手ぇ握んな! 今すぐ窓から飛び降りて脊髄損傷で首から下が動かなくなれ!」
「罵り方が妙に具体的だな!? 『死ね』とか言われるよりある意味怖ぇ!」
凛が手を振り払ってぷいとそっぽを向いてしまったところで、さっきからもぞもぞしていた陽菜がおずおずと雅人に問い掛ける。
「あの、お兄ちゃん」
「なんだい?」
「お兄ちゃんは、そのぉ……ムネの大きい女の子の方が好きなのです?」
どこか弱々しい目で見つめてくる陽菜を安心させようと、雅人は愛嬌のある笑顔を向ける。
「そんなことないよ。胸の大きさが魅力にはなっても、その人を好きでいる理由とはまた違うからね」
「答えになっておりませんよ、御主人様」
陽菜の隣から、イブキが鋭い口調で糾弾してくる。
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