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「まあ、好みなんてのは人それぞれだろ」
凛が無難な言葉でまとめようとするが雅人が質問を被せてくる。
「そういや、凛は好みのタイプとかある?」
凛は「んー」と難しい顔をしながらツインテールの先を指でくるくると弄ぶ。
「好みもなにも、あたし恋愛自体好きじゃないし。なんつーか、周囲の人間の見世物にされてる感じが嫌だ。あえて言うなら、逆にイケメンはダメ。なんかムカつく」
「朗報ですね、御主人様」
「お兄ちゃん、よかったねっ」
「遠回しに罵倒されてる!? いや、凛の好みに近いならば喜んでいいんだ。ああ! でも!男として複雑……!!」
雅人が身もだえていると、凛が雅人の顔全体を眺めながらフムフムと頷く。
「雅人ぐらいがちょうどいいんだよ」
「お、おお!? これはひょっとして凛が俺の魅力に気づいてデレ――――」
「全く良心を痛めずに痛めつけることができる男だからな!」
「正直そんなことだろうと思ってましたよ!」
凛曰く、雅人は『リップス〇イムの端っこにいそう。名前知らんけど』な顔だそうです。
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