学校友達

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天使、といったが別に背中に羽がバサバサ生えているわけではない。 着ている服の、白いワンピースに羽の模様が刻まれていたからだ。 ……と、いうのはただの偶然であって、本当に天使に見えた。 降りてくるときの柔らかな足音、白い肌、そして綺麗な長い髪。 年は俺と同じような雰囲気だ。 女の子、というよりかは天使という感じだ(まぁ雰囲気的に人間ではなさそうだけど)。 「日本上陸成功しました。情報収集開始―」 目を閉じたままそう呟くと女の子の耳につけているヘッドフォンのようなものが光った。 静かな沈黙が訪れる。 俺は唖然としてそこに立ちつくしかなかった。 「収集完了。充電プラグ外します」 プチッと女の子の体についていたコードが外れた。 その途端、女の子の体がバランスを崩した。 「おっと!」 俺は急いで支えた。 俺の腕の中で女の子は閉じていた目をパチッと開いた。 エメラルドのような澄んだ瞳に俺は一瞬息を呑んだ。 「……」 「……」 沈黙の中2人はじっと見つめあう。 ……きれいな子だな。
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