学校友達

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ズズズ……。 お茶をすする音だけが部屋に響く。 「よし、じゃあ自己紹介でもしてもらおうか」 お菓子もやったし、お茶まで出してやった。 もう満足だろう。 「?」 「自己紹介が分からないか?じゃあ、名前!名前はあるか?」 コトン、と女の子は持っていた湯飲みを置いた。 「名前……無いです」 と少し悲しげに言った。 「でも、機械番号ならあります」 「機械番号?」 彼女はいったい何者なんだ? 「はい。私は24177号。最新型ルシーファです」 「ルシーファ?」 「地球にある任務を遂行するために来ました」 俺の質問を無視して女の子は話を続ける。 「任務って?」 「友達を作りに来ました」 まっすぐな瞳で俺を見た女の子は言った。 ……はい? 「友達?」 「はい」 「……」 どうしよう。 なんて答えたら良いのか分からない。 数分の沈黙が続く。
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