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「忘れてました」
沈黙を破ったのは女の子だった。
「何を?」
「到着したら、博士からこれを見るように言われてました」
女の子はポシェットを開き、中から小さなボタンが3つついたカードを取り出した。
そしてそのカードの左端の赤いボタンを押した。
するとカードから映像が飛び出した。
「うわぁ!」
映像には立っている白衣の老人の姿が見えた。
これが女の子の言う博士か?
「博士、無事に着きました」
「おぉ、24177か。よくぞ地球に辿り着いた。さすがわしの発明品じゃな」
どうやら、地球とここの博士がいる星の通信機らしい。
「ところで、そこにいる人間は誰じゃ?」
博士が俺のことを指差した。
どうやら見えているらしい。
「この方は……」
女の子が首をかしげる。
そういえば俺、自分のこと何も話さなかったな。
「俺は神崎潤です。彼女が倒れていたので、放って置けなくて家に連れてきました」
博士が急に黙り込んだ。
そして、数分後―
「24177。お前、コイツのこと好きか?」
ぶっっっっっ!!!
いきなりな事聞きやがった、このアホ博士!
「……」
女の子の顔は無感情だった。
いや、もともと会ったときから、あんまり感情を表に出した所を見た事無いが。
「いや、今会ったばかりだし、そんな事聞くのは―」
「好きってなんですか?」
俺の反論を遮り女の子が質問した。
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