第一譚 棘に溺れた二人のアリス

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第一譚 棘に溺れた二人のアリス

 赤い血が、ぽたり、と垂れて   天使の像に黒点を散らす     私は、知らない   穢れない白の薔薇なんて    絡む蔦は全て茶色く     腕を、動かせば      脆く崩れる    そのなかにある柩は    なにかを守るようで   何かを閉じ込めるようで いつでも虚しく開け放たれていた     私はいつだって     壊れかけてるの    心臓は、ぼろぼろで   継ぎ接ぎだらけなんだよ 【現実】の檻から逃げたアリスは     罪人なんだから  貴方の罪は、逃げたことです    ハートの女王の裁判     それでも、私は    迫る蔦から逃げ惑う     なにかを探して   手を伸ばして逃げられる      そのために   終焉の見えない魔女との    【罪追いごっこ】。image=484502524.jpg
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