第一夜「プロポーズ」

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県道4号線 近辺に住む走り屋からは"西コース"と言われてる場所。カーブが東(県道16号線)に比べて緩やかな為、スピードが出やすいコースと先輩は言ってた。それを物語るように、SUPRAのスピードメーターは160㎞/hに達していた。 刹那「は、速いですよ!!」 聖「ごめん、これもスピードに慣れてもらう為だよ!」 明らかにわざとやってる気がする。 次々とコーナーをパスしていき、スキール音をたてながら次のストレートで加速していく。 麓に辿り着いた時には、既に脳裏には何もなかった。そして、吐き気が襲った。 刹那「うえ…」 聖「大丈夫かい?」 刹那「大丈夫じゃ、ありませんよ…、…うっぷ」 平行感覚は無く、立った瞬間にふらつく状態である。まるでジェットコースターに乗ったかのようだった。いや、ジェットコースターの方がまだマシかもしれない。 聖「帰るよ、刹那」 刹那「もうですか?」 聖「大丈夫、今度は安全運転で行くから」 刹那「わかりました」 予告通り、スピードメーターは40㎞/hをキープしていた。 玲二が居る場所に戻ると、そこには玲二もFDも無く、私のZだけが取り残されていた。 聖「玲二、どこに行ったんだろうか…」 刹那「さあ…」 大方の予想はついていた。姉貴に会いに行ったんだろう。 この先の神社で巫女さんをやってるのが私の姉貴。念のため言うが、姉貴も走り屋である。というか、玲二が走り屋になった理由も姉貴が原因なんだよねぇ…。
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