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赤城山
寒い。2月の赤城は寒かった。
玲二「やっぱりここはいい眺めだなぁ」
聖「ここなら前橋が一望出来るね。あれ?刹那は?」
刹那「…」
聖「なんだ。寒いのかい?」
刹那「」コクリッ
聖「じゃあ、これあげるね」
先輩がコーヒーをくれた。あったかいなぁ…。
聖「一緒に行こう?」
刹那「はい!」
私は先輩の手を握りながら、Zの車内から出た。
刹那「わあ~」
聖「いい景色でしょ?」
刹那「はい!」
先輩と見たこの景色は、輝いて見えた。
玲二「さて、そろそろ本題に入ろうぜ?」
聖「そうだね」
刹那「何ですか?本題って」
聖「刹那、君にそのZを渡した理由ってわかる?」
刹那「誕生日プレゼントですか?」
聖「それもあるけど、もう一つ理由があるんだ」
刹那「それって?」
聖「君に、"走り屋"になってもらいたいんだ」
刹那「走り屋って、何ですか?」
全く話がつかめない。車の事を全くわからない私が、走り屋になるなんて。
聖「出来るかい?」
刹那「は、はいっ!」
つい返事をしてしまった。でも一体どんな事をするんだろう…。
玲二「刹那、まだ飯食ってないよな?」
刹那「うん…」
玲二「よし。なら刹那、今からスピードになれる特訓をする。刹那、聖のSUPRAの助手席に乗れ」
私が、西園寺先輩の車の助手席に?なんて浮かれるはずも無く、私はSUPRAの助手席に乗った。
聖「シートベルトは締めたかい?」
刹那「はい!」
そう言って先輩は、ミッションノブを2速にし、一気にアクセルを踏んだ。急加速による衝撃が、私の体を押しつぶした。
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