開催

22/53
17567人が本棚に入れています
本棚に追加
/747ページ
砕けた椅子の木片と共に、鮮血が床に飛び散る。 「ぎゃあああ!」 イカロスは顔を押さえてもがき苦しみ、床を転がってガイから離れた。 「あとはこのクソ蛇共だな。一掃してやる」 逃げるイカロスには目もくれず、ガイは能力を発動。 講堂内を這いずり回る蛇達全てを、一匹残さず泡の中に閉じ込めた。 「おお!?」 蛇を相手にしていた捜査官達は、突然の出来事にその場から飛び退く。 それを確認した後で、 「炸裂気泡」 泡を爆発させ、中の蛇達を破裂させた。 「すげ・・・」 感心するようにつぶやくのはゼル。 ガイが一瞬にして蛇を片付けたことによって、乱戦は収まった。 「やっぱりやるなイギリスのぉ!俺の出番はなかったようだな!」 「安心するのは早ぇっての。馬鹿騒ぎする前に、転がってるクソ雑魚から情報を抜き取るぞ?」 「なら、私の出番だな」 ウェズレイとガイの会話を聞き、バーナードが前に出る。 「尋問のスペシャリストが登場かぁ!これなら心配いらんな!」 そう安心したのも、つかの間・・・ 「ぐああッ!」 「ガハッ!」 講堂の扉がふき飛ばされ、護衛の中国政府が中に倒れ込んでくる。 その周囲を覆う砂煙の向こうには、赤い光が二つ。 シュイン、シュインと機械的な音をたてながら、講堂に空いた穴を使って中に侵入してきた。 「「あれは・・・」」 放とマリアンが同時につぶやき、地道はそれを警戒。 現れたのはサイクロプス。 能力者だけを狙う、エリュシオンの戦闘兵器だ。 「あの鉄屑はそっちでなんとかしろ。こっちは尋問に徹する」 「ああ、まかせたぞ」 ガイとバーナードが倒れたイカロスに歩み寄ると、 「やっと出番か」 「待ちくたびれたぜ!」 二階から二人の男が飛び降りた。
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!