開催

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「さっさと行けぇ!」 ウェズレイが叫ぶと、現れた赤い魔人は唸りをあげてヘラクレスに殴りかかる。 その巨大な拳は完全に彼の姿を隠すが、 「・・・・・・」 炎と溶岩が混ざり合った壁が、その拳の行く手を阻む。 「猛進猪焔(エリュマントス・ブレイズ)」 そこからヘラクレスは辺りの焔を全身に纏い、突進。 ウェズレイを守る魔人ごと彼を弾き飛ばし、避難する者に狙いを定める。 が・・・ 「行かせるかぁ!」 尚も猛スピードで突進するヘラクレスを、ウェズレイが何本もの赤い腕で背後から掴み、引っ張る。 それによって制止するヘラクレスを、 「爆砲気泡!」 ガイが正面から、巨大な泡の砲弾をぶつけた。 「・・・・・・」 ヘラクレスは無言でふき飛び、泡の爆発に合わせて床を跳ね、壁に激突。 それをブチ破り、姿を消した。 「今のうちだぁ!」 再びウェズレイが叫ぶと、硬直していた者達が避難を再開。 すると講堂内を大量の灰が渦を巻いて徘徊し、壁に空いた穴の近くに煙幕を張る。 「意味ねぇと思うけどな・・・」 それをしたのは、ブラジル政府の捜査官、リカルド。 ヘラクレスが生み出した灰を利用して、自身の力を最大限に発揮する。 「扉を破れ!」 地道が言うと、放が裏口の扉を破壊。 日本政府を筆頭に、皆は外へ逃げていく。 「俺達二人で止めれるか?」 そんな中で、講堂内に残るガイは、同じく残留するウェズレイに向かってつぶやいた。 「わからん。だが、仕留めることは間違いなく無理だろうな」 いつも大声を張り上げているウェズレイだが、小さな返答。 それを聞いたガイは微笑し、 「フン、負ける気もしねぇがな」 ランスを構え、周囲に無数の泡を出現させた。
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