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「こっちだ」
舞台上の裏口から避難した皆は、廊下を抜けて外に出る。
そこでまず目にしたのは、講堂の周りを護衛していた中国政府の捜査官の死体。
そして、講堂を囲んでいる炎。
燃え盛る林は皆に逃げ場を与えず、袋の鼠に仕立てあげている。
さらに、
「うおあッ!?」
一番早く外に出た放を、サイクロプスの脚が襲う。
「まだいたのか!?」
斥力を使って弾き返し、三体のサイクロプスを確認。
ぞろぞろと講堂から出てくる者達が、それらを相手に戦闘体勢をとる。
「突破口を開く。続け」
地道は真っ先に能力を発動し、地面を駆ける。
そのスピードは走るたびに増していき、サイクロプスに向かって跳躍する頃には、目で追えないほどの速さを誇っていた。
そしてそのまま、
「むん!」
サイクロプスを蹴りつけ、その衝撃で打ち倒す。
「会長、危険ですって!」
慌てて放がもう一体を弾き飛ばし、残る一体をゼルが持ち上げて振り回す。
「おらッ!」
遠心力をつけて、倒れているサイクロプスに持っている振り下ろし、二体同時に破壊した。
「チッ」
放が弾いたサイクロプスはマルスが破壊し、とりあえず安全を確保しにかかる。
だが・・・
「ぐぁああ・・・!?」
中国政府のトップである李が血噴きをあげて倒れ、その場に血溜りを作る。
「ハハハッ、やっぱり逃げ出したか。雑魚が集まったところで、意味などなかったな」
講堂の上。
扉の為にある屋根の上から、タナトスが言い放った。
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