開催

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「お前は・・・ハッ、いたのか」 ロンを見て、微笑するタナトス。 彼は自分に歩み寄ってくる青年の正体を、よく知っているようだ。 「これ以上、誰にも手を出すな。一対一で勝負しよう」 「お前が俺と?自信たっぷりだな」 ヒラヒラした服の中から手をだし、ロンに向けてかざす。 しかしそこで、 「待て待て、お前は出るなって言われたろ?」 その間にゼルが割って入る。 「でもゼルさん、俺だけ戦わないわけには・・・」 「いいから、お前は署長を守れ。一対一なんて言ってる場合じゃねぇんだよ」 ゼルは瞳に輝きを灯し、側に落ちているサイクロプスの脚を片手で持ち上げる。 「ま、俺達もいることだしな」 そう言い、前に出たのは放。 彼はゼルの隣に立ち、刀の先端をタナトスに向ける。 「それに、倒すつもりでやるなら力を隠す必要もねぇ」 瞳を輝かせ、左手に青白い渦を纏う。 斥力を圧縮し、生成した強力なそれを、迷うことなくタナトスへ飛ばした。 それと同時に、リカルドが灰の渦を放出。 二つの攻撃が、容赦なくタナトスに迫る。 「面倒くせぇ、結局は全員かよ」 ため息混じりに、つまらなそうな口調でつぶやくと、タナトスは両手を前に向ける。 そして、 「冥界の序曲」 その場から姿を消し、二つの渦を難無く避ける。 「チッ、辺りを警戒しろ!」 放が叫ぶと、中国政府の楼が斬り刻まれ、打ち伏せた。 「防御するんだ!」 「署長を守れ!」 放とゼルの言葉を受け、ロンは青い光をドーム状に展開。 バーナードと地道を中に入れ、タナトスの攻撃から身を守る。
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