開催

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だが・・・ 「掌握の円舞曲(ワルツ!)」 ゼルがとっさに間へ飛び込み、鎌の刃を両手で受け止める。 そのまま受け流すように弾き、殴りつけて押し返した。 「へぇ、やるな」 感心するようにつぶやくタナトスに、 「紅蓮の序曲!」 マルスの爆発が直撃。 だが、彼も背後にある死神も、何事もなかったかのように無傷だ。 「さすがに、これ以上簡単には殺れねぇか。ま、ヘラクレスの野郎を待ってもいいが・・・」 ロンの放つ青い光に守られている二人に視線を移し、死神と共に一歩近づく。 「俺が殺っとくか。面倒だしな」 そして、死神の巨大な拳をそこに向かって突き出した。 「ロン、防御を解け!」 「はい!」 防げないと判断したバーナードは、ロンに光のドームを解除させる。 いくら能力降下の力で威力を下げたとはいえ、喰らえばひとたまりもない。 「つかまれ!」 地道の声で二人は彼の腕をとり、一瞬で離れた場所へ移動して拳を回避。 通過した拳はそのまま燃える林を突き破り、炎の中に一本の道を作りあげた。 「ほう、日本の頭領もいい力を持ってるな」 死神の拳を引き下げ、移動した三人に視線を移す。 ロンが騎士の力を使用しないのは、バーナードの命令が理由。 彼はまだ他の国に、ロンが三騎士の一人だと知られたくないのだ。 「しゃあねぇ、周りの奴らから殺るか」 鎌を振り、ジョンを攻撃。 固めた血で生成していた左腕で防御したが、いとも簡単に砕き割られた。 「チッ・・・!」 だが、外傷はない。 両足で地面を滑り、体勢を整えて再び左腕に血を収束する。 「そら!」 次に狙うのはリカルド。 鎌を振り上げ、射程範囲まで近づく。 そこで、 「うぉおおお!」 炎の中から、自分を中心に青白い球体を展開した放が、タナトスに向かって飛び出してきた。
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